にじや質店X線ラボでは、X線分析体制のさらなる強化を目的として、 Evident製ハンドヘルド蛍光X線分析計「VANTA Core V2CA」 を新たに導入し、2026年9月15日より運用を開始しました。

当ラボではこれまで、据置型蛍光X線分析装置 「SPECTRO SCOUT」を中心に、 金・銀・プラチナなどの貴金属製品をはじめとする 非破壊X線分析を行ってきました。

今回、ハンドヘルド型XRF「VANTA Core V2CA」が加わったことで、 これまで大きさや形状のため据置型装置で測定しにくかった品物についても、 X線分析できる可能性が広がりました。
にじや質店X線ラボに導入したVANTA Core V2CAとSPECTRO SCOUT
新たに導入したVANTA Core V2CA(手前)と 貴金属分析に使用しているSPECTRO SCOUT(奥)

VANTA Core V2CAとは

VANTA Core V2CAは、 品物に分析計を直接当てて測定できるハンドヘルド型の蛍光X線分析計(XRF) です。

品物にX線を照射し、そこから発生する蛍光X線を測定することで、 金(Au)、銀(Ag)、プラチナ(Pt)など、 品物に含まれる元素を非破壊で調べます。

据置型の分析装置とは異なり、 品物を分析装置の試料室に入れて測定するのではなく、 分析計を品物の測定したい場所へ直接当てられることが大きな特長です。

大型の品物にも対応しやすくなりました

これまで使用してきたSPECTRO SCOUTは据置型のX線分析装置のため、 測定する品物を装置の試料室にセットする必要があります。

そのため、品物そのものが大きい場合や、 形状の関係で試料室に収まらない場合には、 測定が難しいことがありました。

VANTA Core V2CAは品物へ直接分析計を当てることができるため、 SPECTRO SCOUTの試料室に収まらない大型の品物や、 据置型装置へのセットが難しい形状の品物についても、 X線分析できる可能性が広がりました。

「大きな品物なのでX線分析できるか分からない」 という場合でも、これまでより対応できる範囲が広がります。

大きな置物や銀製品などもご相談ください

例えば、次のような品物について、 VANTA Core V2CAを活用できる可能性があります。

  • 大きな金・銀・プラチナ製品
  • 大型の銀製品・銀器
  • 金属製の置物や装飾品
  • 据置型X線分析装置に入らない品物
  • 形状が特殊で分析装置にセットしにくい品物
  • 複数の場所を測定して確認したい品物

実際に測定できるかどうかは、 品物の大きさだけでなく、形状、材質、表面状態、 測定したい位置などによって異なります。

複数の場所を測定することもできます

ハンドヘルド型のVANTA Core V2CAは、 測定したい場所へ直接分析計を当てやすいという特長があります。

そのため、大型の品物について場所を変えながら測定したり、 同じ品物の複数箇所を確認したりするなど、 据置型XRFとは異なる測定方法を選択できます。

貴金属製品では、品物の構造や表面状態などによって、 測定する場所から得られる情報が異なる場合があります。

にじや質店X線ラボでは、 品物の形状やお客様が確認したい内容を考慮しながら、 測定箇所や分析方法を検討します。

貴金属のX線分析にも活用します

VANTA Core V2CAには、 貴金属分析用のメソッドも搭載されています。

金・銀・プラチナなどの貴金属製品について、 品物の大きさや形状、測定目的などに応じて VANTA Core V2CAを活用していきます。

今回の導入によって、 従来から使用しているSPECTRO SCOUTに加え、 ハンドヘルド型XRFという新たな測定手段が加わりました。

SPECTRO SCOUTとVANTAを使い分けます

今回の導入は、従来のSPECTRO SCOUTを VANTA Core V2CAへ置き換えるものではありません。

据置型とハンドヘルド型、それぞれの特長を活かして使い分けます。

■ SPECTRO SCOUT
品物を装置の試料室にセットして測定する据置型XRF。 当ラボの貴金属X線分析に使用しています。

■ VANTA Core V2CA
品物へ直接分析計を当てるハンドヘルド型XRF。 大型の品物、据置型装置にセットしにくい形状の品物、 複数箇所の測定などに活用します。

どちらの装置を使用するかは、 品物の大きさ、形状、材質、測定箇所、 お客様が確認したい内容などを踏まえて判断します。

ご注意ください
蛍光X線分析は、X線を照射した部分から得られる元素情報を調べる分析方法です。 品物の形状、表面状態、測定位置、表面層の厚さなどによって 測定結果が影響を受ける場合があります。 また、厚い表面層の下にある内部材料などを、 X線分析だけで常に確認できるとは限りません。

大きな品物は、まず写真をお送りください

「この大きさでも測定できますか?」 「形が特殊ですが分析できますか?」 という場合は、まず品物の写真をお送りください。

品物全体が分かる写真と、測定したい部分が分かる写真 があると、測定方法を事前に検討しやすくなります。

これまで「大きすぎてX線分析装置に入らないかもしれない」と お考えだった品物についても、お気軽にご相談ください。

にじや質店X線ラボでは、 SPECTRO SCOUTとVANTA Core V2CA、それぞれの特長を活かしながら、 金・銀・プラチナなどの貴金属製品を中心とした 非破壊X線分析の対応力をさらに高めてまいります。

投稿者プロフィール

代表鑑定士 佐々木 英明
代表鑑定士 佐々木 英明
にじや質店X線ラボ 分析担当

株式会社クリエイティブファクトリー代表取締役。
にじや質店X線ラボにて、蛍光X線分析(XRF)を中心とした非破壊分析に取り組んでいます。

金・銀・プラチナなどの貴金属をはじめ、アクセサリー、金貨、地金、各種金属製品について、X線分析による元素組成・品位・材質の確認を行っています。

「見た目や刻印だけでは分からないものを、分析データで確認する。」

質屋・鑑定の実務経験と、X線分析・導電率測定・超音波測定・比重測定・顕微鏡観察などを組み合わせ、分析対象や目的に応じた評価に取り組んでいます。

なお、X線分析は試料表面付近の元素組成を調べる分析方法であり、分析結果だけですべての真贋や内部構造を断定できるものではありません。測定結果と各種情報を総合して評価することを重視しています。

■所属
・株式会社クリエイティブファクトリー 代表取締役
・にじや質店 代表鑑定士
・にじや質店X線ラボ 分析担当

■保有資格
・第一級陸上無線技術士
・電気主任技術者
・電気通信主任技術者

■経歴
1991年 株式会社リクルート入社
1994年 都内特許事務所にて特許出願業務に従事
1998年 創業、真空管輸入販売事業を開始
2000年 法人化
2013年 株式会社クリエイティブファクトリー設立
2014年 総合買取事業開始
2022年 にじや質店開業
2025年 にじや質店X線ラボ サービス開始
2026年 にじや相続評価 サービス開始
2026年 にじや分析ラボ開設

■専門・分析分野
・蛍光X線分析(XRF)
・金・銀・プラチナ等の貴金属分析
・金製品・金貨等の品位確認
・アクセサリー・金属製品の材質評価
・導電率測定
・超音波厚さ測定
・比重測定
・顕微鏡観察
・分析データを用いた真贋・材質評価

■主な分析・測定機器
・SPECTRO SCOUT
・島津製作所 EDX-7200
・VANTA Core V2CA
・SIGMASCOPE GOLD B/C
・超音波厚さ計 45MG
・比重計 GKS-3000
・実体顕微鏡/デジタルマイクロスコープ

■運営サイト
・にじや質店
https://nijiya-7ten.jp

・にじや質店X線ラボ
https://nijiya-xray.jp

・にじや分析ラボ
https://nijiya-lab.jp

・にじや相続評価
https://nijiya-souzoku.jp

・ヴィンテージサウンド
https://vintagesound.jp